2010/05/25

買い付け行く前に。







エニマ デザインを始めた今から5年くらい前に 

よく大阪の新今宮にある通称 "西成?"闇市?" 泥棒市?”

に出かけては色んな物を物色しつつ 遊んでいた。

そこはとてつもなくゲットーでありカオスな場所なので 

いつも土木作業員みたいな格好で行っていた。

じゃないと 独自の緊迫した雰囲気と

周りの おいちゃん,おばちゃん達にも失礼な気がしたから。

そこには色んな物が売っており 流通先はたぶん ゴミ、盗品、

その辺で落ちてるもんがほとんどで 戦後から場所も変わらずに続いている

違法フリーマーケットだ。

なかにはむっちゃセンスの良いおっちゃんがいたり、

日本のアンティークだけ専門に扱っていたり

売り人によっての個性を見るのも面白かった。

今はないけど

昔はハルシ○○ンとかも堂々と段ボウルに書いて売っている場所もあった。

僕はそんな普通ではゴミだったり

普段 目にも留まらない物を売物として陳列して

スポットを当ててる感じが溜まらなく好きだった。

中には何でこれがこの場所にあるの?みたいなんも多かった。

ある日いつもの様にぶらぶら物色していると 

一つの気になる皿を見つけた。

それを手に取って見ていると 右斜め後から


「兄ちゃんそれはええでぇ〜」


と声を掛けられた。

場所が場所だけに いきなり話しかけられたりとか 

奇声を上げたりする人が多いので ビビりながら 振り返ると 

スキンヘッドに ジョンレノン風の丸めがね 

上下は作務衣 下駄の出で立ちのおっさんが立っていた。

僕は言葉を発せずに凍りついた。そしておっさんが

優しい口調で話し始めた。


「この皿は腕はそんなに良くないが作り手の気持ちが良くでてるねぇ」


「わしは骨董師でなぁ。たまに遊びにくるんやー。」


僕は安心した。そしてめっちゃ興味が沸き色々聞いてみた。


「これ高いんですか?」


すると おいちゃんは色々説明してくれた。


「骨董の値段の付き方は2通りある」

「有名な作者や良い素材を使った物が高いのは当たり前」
 
「あとはオウラが出てるんがええんや。」

「兄ちゃんが触ってた皿もええのん出てるわ〜」


さらに おっさんは


「兄ちゃん。買いもん行ってな バーゲンで5万のもんが5千円になっててお値打ちやろ、
やけど 又後でいいわぁ 思うもんはなぁオウラが出てないねん。ほんでそんなもんは
ずっと残っとるわ。」


「逆にな。なんてないもんや なぜか自分が気に入ったもんで予想以上に高いもんあるやろ
でも買うたり,なぜこんな物にこんなに悩むのかという経験ないか?」


僕は考えてみた。あの服やろ。ここで買ったガラクタやろ〜・・。


「めっちゃあるっす!」


おっさんはどや顔しながら軽く笑った。


「物にはな 念が入るんや。作ったもん(人)、前の持ち主。

それで物は変化していくんや〜 わしらの仕事はそれを感じて伝える商売や。

ええのん出とるんは なんぼ出しても みんな欲しんや。

兄ちゃんええ目しとるわ がんばりやぁ〜」


おっさんは笑いながら歩いていった。僕は渾身のお辞儀をし


「ありがとうございました。」


とお礼を言った。運命の出会いだった。

衝撃だった。思考回路が180度変化した。



あれから5年たった今も

師匠の言葉は全ての物事に繋がっていき

僕を成長させてくれている。

そして 

師匠の言葉を思い出しながらアメリカに出発した。




西成のある風景 ※師匠ではありません